【画像生成AI】プロンプトに使えるライティング・照明に関する言葉
こんにちは。画像生成AIを楽しんでいるじょじお(@jojio_illust)です。
この記事は、画像生成AIツールmidjourney・にじジャーニーのプロンプトに使えるライティング(照明)・光に関する言葉をまとめました(随時更新中)。
Dalle2やStable diffusionのプロンプトでもよく使われている言葉が多数登場するので、それらのユーザーの方でも参考になるかと思います。
▲画像生成AIで生成した画像とプロンプトのおすすめの管理術についての記事はこちら!
AIイラストにおける照明・ライティングに関する言葉の使い方。
写真や映画の撮影においては、シーンを演出するライティング(照明)が大変重要で、様々なライティングテクニックが存在します。
midjourney(ミッドジャーニー)などのAIイラストツールにおいても、それらのライティングに関する言葉を使って多少照明のコントロールが可能です。
この記事で紹介する照明に関する言葉を知っておくことで、下記のような時に使えるかもしれません。
- 画像を全体的に明るくしたい
- 自然な光を感じる絵にしたい
- スポットライトのように主役を目立たせるような照明にしたい
- エモい画にしたい・・・
この記事では、ゲームエンジンUnityや、カメラ・映像分野におけるライティングに関する言葉をピックアップしてMidjourney で試した結果をご紹介します。
この記事の注意点
照明の調整は、midjourney(ミッドジャーニー)の保証された機能ではないため効果は完璧ではありません。AIがなんとなく言葉の意味を理解してなんとなくカタチにしているだけです。
このため、人間の解釈とAIの解釈が全く異なっている場合もありますし、組み合わせる言葉によって効果を感じないこともあるでしょう。その点ご留意ください。
望んだ結果の絵にならない場合はネガティブプロンプトも活用しよう。
望んだ方向性の絵にならない場合はネガティブプロンプトが近道になることも多いです。ネガティブプロンプトについては下記の記事で紹介していますので使い慣れていない方は是非ご覧になってみてください。
複数の言葉の掛け合わせも効果的。
ここで紹介する単語は、複数を掛け合わせて使っても効果を発揮することがあります。
複数の言葉を掛け合わせることで似た意味を持つ言葉のイメージが強まったり、複合的な効果を得たりすることができます。
- dramatic lighting + cinematic lighting : 雰囲気のあるハイコントラストな絵になりやすい。
- spot lighting + hard lighting : 強いスポットライト
AIイラストで使える「自然光」に関する言葉
まずは、太陽を中心とした自然界に存在する光源に関連する言葉を集めました。
日の出後、日没前:Golden hour(ゴールデンアワー・マジックアワー)
Golden hour(ゴールデンアワー)は、写真や動画撮影の用語で「日の出直後や日没前の日中の時間帯のこと」を指します。
日中の光がより赤く柔らかくなるので、幻想的な美しい写真を撮影することができます。
Golden hourのMidjourneyで使った印象
- 夕日・朝日
- 暖色
- 窓から差し込む夕日・朝日
日の出前、日没後:Blue hour(ブルーアワー)
blue hour(ブルーアワー)は、日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯のことです。
blue hourの印象
- 寒色
- 青い空
- 夜明け
昼の自然光:Midday(ミッドデイ)
midday(ミッドデイ)は、正午(午後12時)や昼間を指す英単語です。
Midjourneyで使うと日中の光を感じる写真になりやすいです。
middayの印象
- 昼間
- 淡い太陽の光
- 窓
くもり空:overcast
overcastは、空一面のくもり空を表す英単語で、青い雲というよりはグレーの雲を指すようです。
Midjourneyでも曇り空の絵になりやすく、高い確率で雨や雨粒の描写も入ります。雨を降らせたくないときはサンプル図のようにネガティブプロンプトを使って「–no rain」と書くといいです。
overcastの印象
- よどんだ曇り空
- 雨
- 荒れた波
くもり空:Cloudy
Cloudy(クラウディ)は雲がかかった空を指す英単語です。Overcastとの英単語の意味としての違いは下記です。
- Cloudy:雲がかかった空。雲の隙間から青空が見えることもある。
- Overcast:全体的に雲に覆われている。薄暗い。
青い空の光も描写する場合は、Cloudy blue skyとかにするといいです。
cloudyの印象
- 雲がかった空
月明り・月光:moonlight
moonlight(ムーンライト)は月明りを表す英単語です。
midjourney(ミッドジャーニー)でも月明りが登場しますが、月の主張が強くなりやすいので、ネガティブプロンプトを使って「–no moon」とするとちょうど良い気がします(上図参照)。
Sunlight
AIイラストで使える「ライティング」に関する言葉
Backlight
Back lightとは、キャラクターや被写体の背後から当たる光のことで、通常、露出する被写体よりも高い位置から当たります。奥行を演出します。
back lightの印象
- 被写体の奥からの光
colorful lighting(カラフルライティング)
colorful lighting(カラフルライティング)は、写真分野で使われる言葉で、人工的な多数の色のライトを当てるライティングのことです。「colorful lighting photography」で検索するとカラフルで芸術性色の写真が多数ヒットします。
midjourney(ミッドジャーニー)でも割とそのイメージに近いカラフルな写真になります。
「colorful」と指定する場合と似ていますが、下記の違いがありました。
- colorful
- そのもの自体が発色しているような印象
- colorful lighting
- そのもの自体は発色しておらず、光によって色が変化している印象
colorful lightingの印象
- 色とりどり
- 鮮やか
- bright
moody lighting(ムーディーライティング)
Moody lightingは、写真の分野で使われる言葉で、ムーディーな雰囲気のあるライティングの写真を指すようです。
midjourney(ミッドジャーニー)での印象は、直接的な人工の光ではなく、ナチュラルなライティングの絵になりやすい印象です。
Moody lightingの印象
- ムーディー
- 雰囲気のある視線
- 全体的に暗め
studio lighting(スタジオライティング)
Studio lightingは、写真撮影スタジオの人工的な照明を表す言葉です。
midjourney(ミッドジャーニー)で使った印象としては、暗い場所がないように全体的に光が当たった明るめの写真になりやすいです。
studio lightingの印象
- 全体的に明るい
- 単色背景
Directional Light(ディレクショナルライト)
Directional Lightは、指向性ライトのことです。
指向性ライトは、蛍光灯のように周囲をまんべんなく照らすライトとは対照的な言葉で直線的な光のことを指します。
midjourney(ミッドジャーニー)でも、光の筋が見えるくらいの強力で直線的な光が描写されることが多いです。
Directional lightingの印象
- 直線的な強い光
- 光の筋・光線
Dramatic lighting(ドラマチックライティング)
Dramatic lightingは、写真分野のライティングテクニックです。
The idea is to create atmosphere and intensify volume through bold contrast between the highlights and the shadows.
DeepL訳:ハイライトとシャドーの大胆なコントラストによって、雰囲気を作り出し、ボリューム感を強調するというものです。
HOW TO CREATE DRAMATIC LIGHTING IN PORTRAITS – Shotkit
midjourney(ミッドジャーニー)で使った感想としては、本来の言葉のイメージの通り、明暗のハッキリとした高コントラストでインパクトのある絵になりやすいです。
dramatic lightingの印象
- 高コントラスト
- 雰囲気のある視線・構図
spot lighting(スポットライティング)
spot lightingは、3DCGでは、狭い範囲に使用される人工的な光をつけるライティングテクニックです。
midjourney(ミッドジャーニー)で使った感想としては、懐中電灯のような人工的な強めの光を当てたような画になりやすい印象です。
一般的にスポットライトは、懐中電灯、車のヘッドライト、サーチライトなどといった人工的な光源として使用されます。スクリプトやアニメーションで方向を制御すれば、動きのあるスポットライトでシーン内のごく狭いエリアを照らし、印象的なライティング効果をつくり出すことができます。
Unity Documentation
spot lightingの印象
- せまい範囲の人工的な光
- 懐中電灯・車のヘッドライト
cinematic lighting(シネマティックライティング)
cinematic lightingは、映画のライティング技術の総称です。
つまり具体的なひとつのライティング手法を指すわけではなく、映画で使われるいくつかのライティングテクニックを一単語で表す言葉です。
Cinematic lighting is lighting for film that evokes a feeling and has a style. It’s the lighting we see in the movies we watch, be they big budget or independent.
(Google 翻訳)シネマティックライティングとは、感情を呼び起こし、スタイルを持った映画用の照明のことです。
Types of Lighting in Film: Basic Techniques to Know – Adorama
Direct lighting
直接的な光のこと。
Bounce Lighting
レフ版などで反射させた光のこと。
Practical Lighting(プラクティカルライティング)
Practical Lightingは、映画や写真におけるライティングテクニックの一つです。構図の中に光源そのものが描写されている写真・映像のことを指します。
Midjourneyでもその意味の通り、なんらかの発光体が登場する傾向が強くなります。
volumetric lighting(ボリュームトリックライティング)
volumetric lightingは、3DCG由来の言葉です。
Volumetric lighting, also known as “God rays”, is a technique used in 3D computer graphics to add lighting effects to a rendered scene. It allows the viewer to see beams of light shining across the environment. Examples of volumetric lighting are seeing sunbeams shining through a window and seeing sunbeams radiating when the Sun is below the horizon, also known as crepuscular rays.
訳:ボリューメトリック・ライティングは、「ゴッドレイ」とも呼ばれ、3Dコンピュータグラフィックスでレンダリングシーンに照明効果を加えるために使用される技術である。これにより、視聴者は環境全体に輝く光のビームを見ることができます。ボリューメトリック・ライティングの例としては、窓から差し込む太陽の光や、太陽が地平線の下にあるときに放射される太陽の光(クレパス光線とも呼ばれる)を見ることができる。
volumetric lighting – Wikipedia
Midjourney(ミッドジャーニー)で使った印象としては、黄金色の神々しい光源がある絵になりやすい印象です。
Golden hourに似ていますが、volumetric lightingの方がハイコントラストになりやすいです。
volumetric lightingの印象
- 直線的なひとつの光源
- 黄金の光源・朝日・夕日の強い光
- コントラスト強め
Dynamic lighting
Dynamic lightingは、意味はよくわかりませんでした。Googleで「Dynamic lighting photography」で検索すると多くの写真がヒットするので写真分野の言葉っぽいです。
Midjourneyでは、ハイコントラストな絵になり易いです。
dynamic lightingの印象
- ハイコントラスト
Warm lighting
warm lightingは、写真やディスプレイの分野におけるライティングの種類のひとつで、暖色系の光源でライティングします。
Midjourney(ミッドジャーニー)でも本来の意味のとおり、暖色で照らされた温かみのある絵になります。食べ物の絵や冬の室内の描写に良さそうです。
warm lightingの印象
- 暖色系(赤みのある色)の光源
- ろうそく・暖炉
Cold lighting
cold lightingは、写真やディスプレイテクニックにおけるライティングの種類のひとつで、寒色系の光源でライティングします。
cold lightingの印象
- 寒色系(青みのある色)の光源
- 白色灯
- 雪・夜
High-key lighting(ハイキーライティング)
High-key lightingは、カメラ・映画撮影におけるライティング手法のひとつです。
What is high key lighting?
High key lighting is a lighting style that results in a brightly lit frame with soft lighting, minimal shadows, and low contrast.DeepL翻訳:ハイキーライティングとは?
What is High Key Lighting – studiobinder
ハイキーライティングとは、柔らかい光、最小限の影、低いコントラストで、明るいフレームになるライティングスタイルのことです。
Midjourney(ミッドジャーニー)で使った印象としては、低コントラスト・最小限の影が印象的な絵になります。
high-key lightingの印象
- 低コントラスト
- 白い印象の明るい絵
- 影少な目
low-key lighting(ローキーライティング)
写真・映画撮影におけるライティングテクニックを表す言葉です。一つの光源を使って、高コントラストで陰影のハッキリした画を作ります。high-key lightingとは対極の言葉です。
Low-key lighting is a style of lighting for photography, film or television. It is a necessary element in creating a chiaroscuro effect.[1] Traditional photographic lighting (three-point lighting) uses a key light, a fill light and a back light for illumination. Low-key lighting often uses only a key light, optionally controlled with a fill light or a simple reflector.
DeepL翻訳:ローキー照明とは、写真、映画、テレビなどの照明のスタイルの一つで、キアロスクーロ効果を出すために必要な要素である[1]。従来の写真用照明(3点照明)では、キーライト、フィルライト、バックライトの3つの照明が用いられていた[1]。ローキーライティングは、キーライトのみを使用し、オプションでフィルライトや簡易レフ板で制御することが多い。
Wikipedia
Midjourney(ミッドジャーニー)で使った印象としては、高コントラストにはなりますが少し印象が薄いかなぁという感想です。陰影をより明確に強調したいならDramatic lightingの方が適しています。
low-key lightingの印象
- 高コントラスト
- 全体的に暗め
- 影多め
Hard light(ハードライト)
強い光。ハイライトが強く出る。
hard lightの印象
- 強めの光
- ハイライト強め
soft light
淡い光を表す英語です。
soft lightの印象
- 柔らかい光
strobe lighting(ストロボ照明)
strobe lighting(ストロボ照明)はカメラのストロボ照明です。ストロボとは、暗い場所でも撮影できるようにするための強度の高い発光装置のこと。
Midjourneyでも強い光が登場します。
strobe lightingの印象
- 強力な人工的な光
ambient light(アンビエントライト)
ambient lightは、環境照明・室内照明を指す英単語です。
ゲームエンジンUnityでも照明の種類のひとつとして存在します。
アンビエントライトはシーン全体を取り巻き、特定のソースオブジェクトから照射されていない光です。シーン全体の見た目や明るさを左右する重要な効果を与えます。
Unity Documentation
midjourney(ミッドジャーニー)で使った印象としては、複数の光源を感じる絵になりやすいです。例えばサンプルの図では、天井の照明や太陽の光以外に、室内照明が登場していることがわかります。
ambient lightingの印象
- 複数の光源
- 室内照明・補助照明・間接照明・ろうそくの光
flash lighting(flash lighting photography)
flash lighting(flash lighting photography)は、人工的な強い照明(あるいはその写真)です。
Midjourneyで使うと、なぜかキャラクター自体が発光しやすく、閃光がほとばしることも多いです。
flash lightingの印象
- キャラクターが発光する。
- 強い人工的な光
- 閃光・電気
Natural lighting
Natural lightingは自然光のことです。人工的な光とは対照的な光を感じる自然な絵になりやすいです。
ライティングの方向を指定する。
この項ではライティングの方向を指定してみたいと思います。
上からの光(light from above)
light from above(上からの光)で上から光が差し込みます。
下からの光(underlighting)
light from below(下からの光)は、Midjourneyでは効かず、何故かadobeと全く同じ結果になりました(Dalleでは効きました)。Midjourneyではunderlightingを使うと下からの光を感じることができそうです。
横からの光(sidelighting)
sidelightingで、横からの光を実現できました。
Midjourneyでは効果が微妙だった言葉
Area light(エリアライト)
Area lightは、Unity などのゲームエンジンのライティングアルゴリズムのひとつです。
エリアライト(Area Light) は空間内の長方形によって決定されます。光は表面エリア全方向に均一に放射されますが、長方形の片側のみからになります。エリアライトの範囲に関しては、手動の制御はできません。
Unity Documentation
Midjourney で使った印象としては、なんとなく光を当ててくれていますが、明確な言葉の定義はしてなさそうで、照明の雰囲気にバラつきがあります。このため使いどころはなさそうです。
Point light
Point lightはUnityにおけるライティングのひとつです。本来の意味は、1点の光源から放射状の光を演出するライティングですが、Midjourneyでは効果は感じることができませんでした。
motivated lighting(モチベーション照明)
motivated lightingは、写真撮影におけるライティングのひとつです。本来の意味は、構図の中に発光体を入れた撮影のことを差すようです。Midjourneyでは効果を感じることができませんでした。光源を構図に入れたいなら具体的に「sunlight(太陽の光)」や「candle(ろうそく)」などの名称を指定したほうがいい気がします。
Global Illumination(グローバルイルミネーション)
Global Illuminationは、3DCGにおけるライティングアルゴリズムのひとつです。大域照明とも呼ばれ、局所照明の対義の意味を持ちます。
3DCGにおけるGlobal Illuminationは、写実的な自然な光があたる様子を表現するライティングですが、Midjourney(ミッドジャーニー)で使ってみると、広域照明というよりは、局所照明のイメージが強い気がします。
まとめ
以上、画像生成AIのプロンプトに使える「ライティング」に関する言葉を中心に紹介しました。
このほかにもありましたらコメントにて教えていただけると助かります!
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