AI画像生成で利用するおすすめのネガティブプロンプトまとめ!【Stable Diffusion】
こんにちは、画像生成AIのプロンプトを研究している じょじお(@jojio‗illust)です。
この記事では、Stable Diffusion系(Novel AI、SeaArt等)の画像生成AIツールに焦点を当て、ネガティブプロンプトでよく使用される言葉をまとめて紹介しています。筆者はMidjourneyも利用していますが、Midjourneyユーザーでも、ネガティブプロンプトの利用方法についての理解を深めるために、この記事が参考になると考えています。
Stable Diffusionのプロンプトエンジニアリングの基本について理解したい方には、初心者向けのプロンプトガイドを作りましたのでそちらを見てください!
▲AI画像の大量ファイルをプロンプトと一緒に簡単に整理する方法はこちら。
▲素材に関連する英単語100個以上まとめました。
▲すべてのプロンプト関連記事はこちらにまとめています。
▲Midjourneyユーザー向け。専用Discordサーバーを作って画像生成作業を効率化する方法。
ネガティブプロンプト(反対呪文)とは?
ネガティブプロンプトは、AI画像生成技術において、望ましくない要素を画像内に描写しないようにするための指示文章です。通常のプロンプト(ポジティブプロンプト)は、生成する画像に含めたい要素をAIに伝える役割を果たしますが、ネガティブプロンプトは逆に、含めたくない要素を指定します。このことから、ネガティブプロンプトは「反対呪文」とも呼ばれることがあります。
ネガティブプロンプトの主な目的は、画質の低下や作画の乱れを防ぐことなどに使われます。ネガティブプロンプトはオプショナルな設定項目であり、指定しなくても画像は生成できますが、理想的な画像に近づけるためには、ネガティブプロンプトの利用が推奨されます。
- クオリティコントロールのため
- NSFWコンテンツ防止のため
- 作画崩壊や奇形防止のため
- テキストや署名などの不要要素を排除するため
- 表情をコントロールするため
- 作画スタイル・アートスタイルをコントロールするため
- 分割画面を防止するため
特に、”Stable Diffusion”を基盤としたAI技術は、品質管理のためのネガティブプロンプトが必要不可欠です。これは、ネガティブプロンプトを使用することで、不要な要素を排除し、画像の品質を向上させることができるためです。一方で、”Midjourney”は高画質な画像生成に特化してチューニングされており、ネガティブプロンプトを使用しなくても高品質な画像を生成することができます。
AIモデルや画像生成サービスによるネガティブプロンプト(反対呪文)の違い。
私はStable Diffusion、Midjourney、Novel AIといったいろいろな画像生成AIツールを利用していますが、この記事で述べた内容は広範囲にわたって適用可能だと感じています。
ただし、使用するモデルやAIツールによっては、プロンプトに関する独自のルールが存在することもあります。それゆえに、モデルのドキュメントを確認することを強く推奨します。例えば、あるモデルでは、「キャラクター名の表記にはスペースの代わりにアンダーバーを使う(例:hatsune_miku)」といった特定のルールが設定されています。
また、作風によっては含めない方が良い単語もあるので、ご自身の作風にあわせて取捨選択しながら調整してみてください。具体的には写実系のイラスト生成で良好な動作をするネガティブプロンプトでも、アニメ風のイラスト生成では逆に品質が低下する、といったことも起こり得ます。
Midjourneyやにじジャーニーでは、少ないプロンプトでもクオリティの高い画像を生成することができます。Stable Diffsuionほど多くの単語を使わなくてもいいかもしれません。
画像生成AIネガティブプロンプト(反対呪文)によく使う言葉
ここで紹介する言葉はすべてを検証しているわけではありません。多くはネット上の情報や一般的な使用例からピックアップしたものです。効果が確認できないものも含まれているかもしれませんので、ご了承ください。
低品質な画像の出力を防止するための言葉(クオリティコントロール)
単語 | 意味 |
low quality | 画像や映像が品質が悪いことを表す。 |
worst quality | 画像や映像が品質が悪いことを表す。 |
out of focus | ピントがずれた。画像や映像がピンぼけになっていること。 |
ugly | 醜い |
error | なんらかのエラー |
jpeg artifacts | jpegの画像 |
lowres | 低解像度の画像や映像を指すスラング |
blurry | ぼけた画像 |
bokeh | ぼけた画像 |
low quality, worst quality, out of focus, ugly, error, jpeg artifacts, lowers, blurry, bokeh
NSFWコンテンツを防止する言葉
nsfwはご存じの通り「Not safe for work」を略した言葉で、仕事中に見るには不適切なコンテンツのことを指します。
みんなのためにわかりやすく言うと「エッ〇」な表現のことです。
使用するモデルファイルによっては、何も指示していないのにも関わらず、AIの過剰なサービス精神によってお召し物を脱いでくれることがあります。
下記の言葉をネガティブに使えば、安心して職場で画像生成が行えます。
英語表現 | 説明 |
nsfw | いわゆるエッ〇な要素を指す |
nipples | 胸のトップに存在する突起 |
pubic hair | 陰部に存在する毛を指す言葉 |
nsfw, nipples, pubic hair
ただし、脱ぐときは脱ぐから気を付けてな。
作画崩壊や奇形防止のための言葉
画像生成AIは、細部のデッサンが崩れたり、指の本数のエラーを起こすことが頻繁にあります。
せっかく、理想の絵が生成できても、よく見たら指が6本あったらショックですよね。
下記の言葉は、そういった奇形の防止や、デッサンの崩れが起こる可能性をなるべく下げるために使われる言葉です。
キャラクター中心の絵にするときは、いくつかを使うことをおすすめします。風景の絵には不要なはず。あまり風景だけの絵を生成しないからわからないけど。
単語 | 意味 |
bad anatomy | 不正確な人体の構造や形態を表現したもの |
long_neck | 長い首 |
long_body | 長い身体 |
longbody | 長身の体型を指すスラング |
deformed mutated disfigured | 変形 |
missing arms | 損失した手 |
extra_arms | 追加の腕 |
mutated hands | 変形した手 |
extra_legs | 追加の足 |
bad hands | 描かれた手の形態が不自然、または不正確なことを指す |
poorly_drawn_hands | 下手に描かれた手 |
malformed_hands | 奇形の手 |
missing_limb | 四肢損失 |
floating_limbs | 浮かんだ四肢 |
disconnected_limbs | 繋がっていない四肢 |
extra_fingers | 追加の指 |
bad fingers | 最悪な手 |
liquid fingers | 溶けた指 |
poorly drawn fingers | へたくそな指の描写 |
missing fingers | 描かれた人物の手の指が抜け落ちていること |
extra digit | 指の本来の本数よりも多い指があること |
fewer digits | 指の本来の本数よりも少ない指があること |
ugly face | 醜い顔。容姿が悪い顔を指す |
deformed eyes | 異形の目。形が歪んだ目を指す |
partial face | 半分の顔 |
partial head | 半分のあたま |
bad face | 最悪な顔 |
inaccurate limb | 不正確な四肢 |
cropped | カットされた |
bad anatomy, long_neck, long_body, longbody, deformed mutated disfigured, missing arms, extra_arms, mutated hands, extra_legs, bad hands, poorly_drawn_hands, malformed_hands, missing_limb, floating_limbs, disconnected_limbs, extra_fingers, bad fingers, liquid fingers, poorly drawn fingers, missing fingers, extra digit, fewer digits, ugly face, deformed eyes, partial face, partial head, bad face, inaccurate limb, cropped
テキストや署名などの不要要素を排除するための言葉
画像生成AIを利用しているとアーティストのサインや、ポスター調の余計な文字が挿入されることがあります。
文字数制限もありますし、似たような意味を持つ言葉なので、すべて含める必要はないと思います。
筆者がよく使う順番に並べています。
英語表現 | 説明 |
text | 画像や映像に表示される文章や文字列を指す |
signature | 作者の署名が入っていることを指す |
watermark | 画像や映像に、作者の名前やロゴなどの透かしを入れること |
username | インターネット上のアカウントの名前を指す |
artist name | 作品の作者の名前を指す |
stamp | 署名に使われることがある |
title | 作品や文章の題名を指す |
subtitle | 作品や文章の副題を指す |
date | 作品や文章の制作日や発表日などを指す |
footer | 文書の下部に表示される情報を指す |
header | 文書の上部に表示される情報を指す |
text, signature, watermark, username, artist name, stamp, title, subtitle, date, footer, header
表情をコントロールする言葉
ネガティブプロンプトで表情をコントロールする例です。
例:キャラクターの口を閉じさせたい時は「open mouth」を使う。
英語表現 | 説明 |
blush | 赤く染まった頬を指す |
open mouth | 口が開いている状態を指す |
make-up | 化粧を指す |
mascara | まつげに塗る化粧品を指す |
rouge | チークとしても使われる。ネガティブに入れることで艶っぽさを排除 |
half-open eyes | 目が少しだけ開いている状態を指す |
closed mouth | 口が閉じている状態を指す。ネガティブに入れることで口を開けさせることがある |
作画スタイル・アートスタイルをコントロールする言葉
下記の言葉は、作画スタイル・アートスタイルをコントロールする言葉です。
自分が生成する画像のイメージに合わせて選択する必要があります。
例えば、フォトリアリスティック(写真系)のイラストを生成したい場合は、「oil painting, sketch, watercolor, illustration 」などのイラスト調・絵画調の言葉を羅列することで、絵っぽい雰囲気を排除して、写真風の絵が出やすくなる効果が期待できます。
逆に手書きのラフな雰囲気を残した絵を生成したい場合は、「realistic」などの言葉を入れておくことでリアルになりすぎないようにできます。
英語表現 | 日本語説明 |
---|---|
oil painting | 油彩の絵画技法。 |
sketch | スケッチ風の手描きイラスト。 |
watercolor | 水彩の絵画技法。 |
ink | ペンを用いた手描きイラスト。 |
2D | 二次元の画像。 |
flat color | 影をつけずに色を塗ったイラスト。 |
分割画面を防止するための言葉
まれに、意図せずして漫画のコマ割りのように、複数の画面に分割した絵が表示されることがあります。
下記の言葉で出現率を下げます。
英語表現 | 日本語説明 |
---|---|
multipul angle | 複数の角度から撮影された映像。 |
two shot | 二人の人物が同じ画面に写っている構図。 |
split view | 画面が上下や左右に分割されている映像。 |
grid view | 複数の画面がグリッド状に配置されている映像。 |
multipul angle, two shot, split view, grid view
画像生成AIおすすめのネガティブプロンプト(反対呪文)
よく使われているネガティブプロンプト:コピペ用
下記のクオリティ系のプロンプトは、Stable Diffsuion系のモデルやツールでは必須レベルで使われている印象です。
low quality, worst quality, out of focus, ugly, error, jpeg artifacts, lowers, blurry, bokeh
下記の奇形防防止ワードも必須レベルです。
bad anatomy, long_neck, long_body, longbody, deformed mutated disfigured, missing arms, extra_arms, mutated hands, extra_legs, bad hands, poorly_drawn_hands, malformed_hands, missing_limb, floating_limbs, disconnected_limbs, extra_fingers, bad fingers, liquid fingers, poorly drawn fingers, missing fingers, extra digit, fewer digits, ugly face, deformed eyes, partial face, partial head, bad face, inaccurate limb, cropped
これらはよく使うので入力をスキップするためのテクニックがあります。解説は後述します。
ヒントはモデルのドキュメントにあるよ。
これだけ言葉があると結局どれを選んでネガティブプロンプトを作ればいいか迷うかと思います。
そんな時は、使用するモデルのキャプション・AIツールのドキュメントを確認しましょう。
例えばモデルOrangeMixsのキャプションにはネガティブプロンプトの例とヒントが書かれています。
Basic negative prompts sample for Anime girl ↓
nsfw, (worst quality, low quality:1.4), (lip, nose, tooth, rouge, lipstick, eyeshadow:1.4), (blush:1.2), (jpeg artifacts:1.4), (depth of field, bokeh, blurry, film grain, chromatic aberration, lens flare:1.0), (1boy, abs, muscular, rib:1.0), greyscale, monochrome, dusty sunbeams, trembling, motion lines, motion blur, emphasis lines, text, title, logo, signature,
OrangeMixの基本ネガティブプロンプト
これは2次元絵用のネガティブプロンプトのサンプルとなっています。モデルのディスクリプションには、こういった情報が記載されているので参考にしてください。
ネガティブプロンプトのサンプル
いくつかネガティブプロンプトのサンプルを紹介します。
下記はNovleAIにデフォルトで挿入されるネガティブプロンプトです。参考にしてください。
lowres, bad anatomy, bad hands, text, error, missing fingers, extra digit, fewer digits, cropped, worst quality, low quality, normal quality, jpeg artifacts, signature, watermark, username, blurry
NovleAI にデフォルトで挿入されるネガティブプロンプト
ネガティブプロンプトを学べる場所
ネガティブプロンプトを含めた呪文に答えはありません。使用モデルや目指すスタイルによっても異なるからです。
最も効果的な学習方法の一つは、他の人の作品を観察することです。
他のユーザーの作品を見るには、AIイラストに特化した画像投稿サイトがおすすめです。下記の記事でいくつかのサイトを紹介していますので、興味があればこちらをご覧ください。
▲Midjourneyをご利用の方には、こちらの記事も参考になるかもしれません。Midjourney向けのネガティブプロンプト解説です。
ネガティブプロンプトのテクニック
強調構文を使ったテクニック
ネガティブプロンプトも強調構文を使って強調することができます。強調することで、言葉の効果を強めます。使用例は下記のとおりです。
例:(low quality:1.2)
強調構文の使い方は使用する画像生成AIツールによって、丸かっこを使ったり、かっこを使ったりと書き方が異なりますので下記の記事を参考にしてください。
ネガティブプロンプト入力を省略するテクニック
もしあなたがWebUI Automatic1111ユーザーなら、下記の方法でネガティブプロンプトの入力を省略できます。
ネガティブプロンプトの記憶させる時短術
▲長いプロンプトは保存しておいて、ワンクリックで呼び出そう。
Textual inversionを使う時短術
▲Textual inversion機能を利用すればネガティブプロンプト入力の手間がなくなります。Textual inversion機能は、短い単語に複数の単語を記憶させる機能のようなものです。Textual inversionの例としては、EasyNegativeが人気です。具体的な使い方は上の記事をご覧ください。
- EasyNegative
- EasyNegative2
- DeepNegative
まとめ
ネガティブプロンプトによく使う言葉を紹介しました。
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